ラ・リーガ 第17節 A・マドリードvs ヘタフェ【レビュー】

アトレティコ・マドリード

 2024年12月15日、A・マドリードvsヘタフェの試合がA・マドリードのホームにて行われ、1-0でA・マドリードの勝利となった。この結果、A・マドリードは勝点38となり公式戦10連勝でリーグ戦は6連勝。1位バルセロナと得失点差では差があるが同勝点となり、バルセロナと同率1位になった。スコアをみると、前節のセビージャ戦では3失点していたため無失点に抑えることができたことはよかったが、ここ数試合で複数得点をしていただけに物足りない試合となった。この試合に関しては、ヘタフェが採用してきた4-1-4-1ブロックをうまく崩せなかった点を深掘りしていきたいと思う。

フォーメーション

 A・マドリードは4-4-2、ヘタフェは4-1-4-1の初期配置。
 A・マドリードは、左SHギャラガーに変えてサムエウ・リノに変えたのみである。

崩せなかった4-1-4-1ブロック

ヘタフェはこれまで4-4-2フォーメーションを採用することが多かったようだが、この試合に関しては4-1-4-1を採用してきたところが大きな違いであり、これは、A・マドリードに対して守備強度を上げるためかと思われる。

 前線からのプレスによってはめることが難しくなり後方重心となるが、4-4-2と比較して守備時の中央バイタルエリアにACを配置することで、相手FWの1.5列目に下がってくるような選手を妨害することができるのが大きな利点であるだろう。ただ、AC脇のスペースが空いてしまうことになるが、ここは両CBがカバーすることで補える。

 

 

また、両CHであるジェネ、マンサナレスがA・マドリードのバリオスやデパウルにそのままマークをしやすく、守備時に複雑さがないことで守備を行いやすくなる。

ここ数試合、A・マドリードはボール保持時に中央に人数をかけて攻撃をすることで相手の中央を攪乱することができていたが、今回のように整備されたディフェンスに対して崩すことができなかった。

 

崩せないのならスルロット

 今シーズンのA・マドリードは、2面性がありその1つは「中盤のオーバーロード」。そして、もう1つが崩せなかった場合のFWスルロットによるパワープレーである。身長194㎝である高身長を前線に配置してクロスを上げるだけで脅威になるため、「戦術スルロット」といっても過言ではない。実際、この試合でも前半崩せなかったヘタフェの守備に対して、スルロットが後半から出場し右SBナウエル・モリナのクロスにヘッドで合わせて決勝点をあげている。アルバレスやグリーズマン、コレアにはない、A・マドリードで唯一の高身長・フィジカルをもったスルロットが戦術の1つとなっている。

総括

 ヘタフェの4-1-4-1ブロックを崩せなかったA・マドリード。ラリーガの他チームにも参考になる守備戦術になったのではないかと思う。仮に、前半より左SHでギャラガーが先発出場してもあまり結果は変わらなかったのではないかと個人的には思う。しかし、今シーズンのA・マドリードは「戦術スルロット」があることで、下位チームに対して勝ち点を落とすことがなくなっている。スルロットは今シーズン7点目を記録しており、先発として出場していないがA・マドリードとしては重要な攻撃のオプションとなっている。
 次節は、ついに首位バルセロナとの天王山となる。バルセロナは直近リーグ6試合で1勝2分2敗で急ブレーキがかかっており、A・マドリードとは正反対である。ここで、A・マドリードが勢いそのままにバルセロナを下すのか。それとも、バルセロナがホームで勝利を収めて軌道修正を図れるのか注目の試合となる。

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