2025年1月13日、リーグ戦8連勝と破竹の勢いをみせるA・マドリーはホームにオサスナを迎え、後半55分にフリアン アルバレスのゴールにより1-0でA・マドリードの勝利となった。A・マドリードは勝点44となりリーグ戦は8連勝、そして、クラブ記録を塗り替える公式戦14連勝を達成し、リーグ前半戦は首位で折り返すことに成功。この試合に関しては、得点シーンとこれまでの試合でみられた「6バック」に関して書いていく。
フォーメーション
A・マドリードは4-4-2、オサスナは5-4-1の初期配置。
A・マドリードは、前節より右CBヒメネス→ルノルマン、左SBジョレンテ→ナウエル モリナの2人を変更。
決勝点となったショートコーナー
オサスナの5バックに苦戦しながらも、後半55分に得点を取ったことで勝利となったA・マドリード。得点シーンに関しては、タイミングをずらすためのショートコーナーからであった。オサスナはマンツーマンでの守備を行っていたが、CBラングレとルノルマンをマークしていたDF同士が交錯してしまったことで、ラングレがフリーとなり中に折り返し、折り返したボールをアルバレスが決めた形となった。
※全選手を書き出すとごちゃつくので、わかりやすい選手しか図に乗せていません。
注目したいのは、ルノルマンとバリオスがラングレを中心として、反対周りに渦を巻くように動いているところだ。これにより、どちらかのマーカーを剝がすことができる。
なぜ6バックでの守備なのか
次に、A・マドリードが今シーズンから時折みせる「6バック」について考察してみる。
守備ブロックを形成された際に攻略を図るために、バイタルエリアやハーフスペースに人を配置することがみられるのだが、まず、4バック・5バックの場合のバイタルエリアとハーフスペースを確認してみる。
①4バック
ハーフスペースが四角形になりやすく、このスペースに相手選手が中央にポジショニングすると、SBとCBのどちらがマークにするか迷いが生じてしまう。
②5バック
4バックと比較してハーフスペースが三角形になる。4バックと違い、このスペースに相手選手がポジショニングした場合はCBがマークするようになるため迷いは生じにくい。
③6バック
4バック・5バックと比較してハーフスペースが狭くなりやすい。また、このスペースにポジショニングしても中央の選手の数が密であり、あまり効果的なスペースとはなりにくいかもしれない。また、中央を攻略できないからといってサイドからのクロスを上げても、同様に中央に選手が多いためはじき返される可能性が高い。
守備に関していうと、後ろに人数をかけると守備強度が高まることは言うまでもない。しかし、いざボールを奪った際の攻撃が後ろ重心であるため、攻撃しにくいことも容易に考えられる。
総括
コーナーキックでの守備では、①ゾーンディフェンス、②マンツーマンディフェンスの2つがあり、個人的にはマンツーマンディフェンスの方が相手選手と競り合う前に体を当てれて妨害しやすいと考えていたが、今回のようにマンツーマンを剥がす動きをされると脆くなりやすいことがわかり勉強になった。
また、6バックに関して考えてみると、後方に人数をかけることでバイタルエリアを守りやすい理由がわかった。ブロックにて守備を行い際は、どこが危険なエリアなのか理解しておくことや誰がマークを行うのかを簡略化することで混乱を生じさせないようにすることが大切ではないかと考えることができた。この6バックを強豪クラブに対して採用したときにどのように攻略してくるのかが楽しみとなる。
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