前節の徳島戦で途中出場したフアンマの初出場、初得点によって勝利したV・ファーレン長崎。まさにドラマチックな展開でホーム2連戦の初戦を勝利し、次節はブラウブリッツ秋田を迎える。秋田のサッカーをイメージすると、堅守な守備とパワープレイが想像つくが今シーズンはまた違うサッカーをしている。
第5節終了時点で、秋田は得点7、失点10の勝点6(2勝3敗)で13位につけている。これだけみて思うのは、失点が多く単純な計算だと1試合に2失点していることとなり堅守のイメージとは程遠い。しかし、得点7は下位に沈んでいる他チームと比較しても多く、長崎と同じく毎試合得点することができている。(長崎は総得点8)
そのため、今回は今シーズンの秋田の攻撃が強くなっている理由と守備の問題点に関して考察していきたいと思う。
フォーメーション

図では、前節のスタメンを表示しているが、今節の長崎はこれまで通り4-1-2-3と予想。対する秋田は4-4-2の基本布陣。
ちなみに、秋田には以前長崎に所属していた村松航太、畑潤基、吉岡雅和が所属しており、GKルカ ラドティッチがレンタル移籍中。
繋ぐこと多くなった秋田の攻撃
これまでの秋田の攻撃では、後方からロングボールを前線に送り、フィジカルが強いか高身長のFWがポストプレーをして前進を図るイメージがあった。しかし、今シーズンの秋田の攻撃を後方から繋ぐことが増えていることから前線にボールを運ぶこと確率が高まっている。
後方4バックでパスを回すのだが、FWが1.5列目に下がってきたところをCBが縦に鋭くパスを出すことが多い。パスを受けたFWはSBかVOへパスを渡して、前進するようにしている。前進した後はサイドから崩していき、時にはアーリークロスを送ることでゴールへ迫る。
秋田で注意すべき選手は、やはりFW小松蓮であるだろう。ここまで毎試合得点をしており6得点で得点ランキング1位である。小松の得点プレーを説明するならば、似ている選手として現日本代表の古橋享吾がわかりやすいと思う。DFの視界から一瞬消えて、味方がクロスを上げてくる際に動きなおしてDFのマークを振り切ってゴールを奪う。古橋と違う点は、身長183㎝の高身長でもあるため単純なクロスにも対応でき、前線で体を張ってポストプレーも可能なことからFWとして脅威だ。
また、2トップのもう1人である梶谷も身長180㎝であるため、対応する長崎のCBがこの2トップを抑えることができるかが注目だ。
リアクションすぎる守備
基本布陣の4-4-2で守る秋田であるが、前線から激しくプレスを行うわけではなく長崎と同じようにミドルブロックにて守る。しかし、長崎と違うのは4-4-2のブロックのまま守備を行う点だ。ゾーンディフェンスを行っているのだが、悪く言えばゾーンディフェンスだけをしているともいえる。
守備を行う際、どこでボールを奪うかという奪い所を決めておくかをチームで共有される。多くは相手SBにボールが渡った際にプレスを強めることが多いのだが、秋田はこれがあまりみられず相手SBへボールへ渡った際のプレスが遅いことで自陣まで押し込まれやすい。
自陣まで押し込まれるということは、単純にボールを自陣ゴールへ近づける行為であるためあまり好ましくない。これが秋田の失点数が多い1つの要因ではないかと考える。
展望
まず長崎の守備は、フォーメーションのかみ合わせを考えても、秋田の攻撃にかみ合わせることができるためこれまで通りの形でいいはずだ。特に、CBからFWへ向けてのパスを長崎のCBが強くプレスへ行けるかが大切であるだろう。
また、相手FWが高身長でありロングボール・ロングスローでのパワープレーもあるため、CBが跳ね返す必要があるため秋田戦はCBの活躍に期待したい。
次に、長崎の攻撃では秋田の守備が変わらないのであれば、自ずとボールを保持する時間が長く相手を押し込める時間も長くなるだろう。そうなると、アタッキングサードでの攻略が必要となってくる。私としては、このアタッキングサードでの攻撃が長崎は苦手ではないかと考えているため少し不安がある。
以上を踏まえてスタメンを考えると、CBはパワープレーに重きを置くと前節と同じくエドゥアルド・櫛引がいいかと思う。また、FWに関しては今節もフアンマの出場があると考えている。前節得点したということもあるが、この試合では①FWの守備のタスクが少ないこと、②ボール保持率が高くなりゴール前での得点が必要、の2点を考えるとFWは普段より走行距離が短くなることで負担が少ないならば、決定力のあるフアンマが活躍しやすいのではないかと考えている。
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