【戦術分析】プレビュー 2025年 J2第11節 V・ファーレン長崎VSいわきFC

Jリーグ

 リーグ戦3連敗していたV・ファーレン長崎は、前節アウェイの地での引き分けによって連敗を止めたがプレーオフ圏外の7位に後退。対するいわきFCは、前節に待望の今シーズン初勝利を収めているが20位の最下位に沈んでいる。両チームともにシーズンスタートがうまくいっていない中、長崎のホームで対戦することになる。いわきとしては前節に続いて勝利して連勝を収めてこれから勢いをつけていきたい一戦となる。

フォーメーション

長崎は4-1-2-3、いわきは3-4-2-1の基本布陣。

いわきの攻撃

 いわきはボールを大事に保持するようなポゼッション型のチームではない。最終ラインでボールを持つ際はCB3枚でボールを持つが、そこからは前線のFWに向けてのロングボールやWGに向けてパスを出してサイドから崩していくようなシンプルな攻撃を行う。

 注目選手はFW熊田と谷村だ。熊田は現在FC東京からいわきにレンタル移籍している20歳の選手であり、一時期ベルギーのヘンクに移籍していた。また、世代別日本代表にも選出された経歴のある逸材である。183㎝の高身長でありフィジカルに優れた選手のため前線で起点となれる上に、空中戦にも優れ鋭い左足からのシュートが魅力的な選手だ。

 次に、谷村であるがこちらも181㎝の高身長で熊田と同様に前線での起点と空中戦に強い選手だ。昨シーズンのJ2リーグで18得点を記録した選手でありJ1へステップアップするだろうと思っていたがいわきに残留している。決定力に優れており前節の富山戦でも2得点を記録しており要注意だ。

 注目選手として熊田を挙げたが、前線からのプレス強度が谷村と比較すると低い印象を受ける。実際に富山戦では、後半から熊田が交代してから前線のプレス強度が高まったことでボールを奪いボール保持率を高めることができていた。

いわきの守備

 いわきの基本布陣は3-4-2-1であり5バックで守ると思いきや、守備時はFW谷村・熊田の2人を前線にして、左WG坂岸が最終ラインに入ることで4-4-2で守る
 FW谷村・熊田が前線からプレスを積極的に行ってくるため、引いてブロックを敷くというよりは前からプレスしてなるべく前線でボールを取ろうとする守備を行う。

長崎の4-1-2-3とかみ合わせてみるが、ビルドアップ時に4バックだとかみ合ってしまうが、長崎のGK+2CB対いわきの2トップを作れば数的優位を作れるため最終ラインで取られる可能性は低い。しかし、長崎は相手守備のファーストラインを超えることや相手のライン間へのパスを出すことが苦手であるため、数的優位を作れてもそれを活かすことができるかが鍵だ。

まとめ・展望

 いわきFCは現在J2リーグで20位の位置にいるが、FWの質をみてももっと上にいてもいいチームだ。しかし、そのFWに得点につながるポジションでボールを預けることができておらず、リーグでワーストの得点数である5得点のみとなっている。守備に不安がある長崎であるが、リーグで得点数が少ない相手に無得点で勝利することができれば自信に繋がるはずだ。いわき戦で先発する長崎のCBがいわきのFWを止めることができるかどうか注目だ。

 また、この試合では長崎がボール保持する時間が長くなることが予想される。そのため、ボールを保持して相手ライン間にボールを出し相手守備ブロックを崩しながら相手ゴールへ迫ることができるか注目だ。また、いわきがプレス強度を高めてきた時に無理せずに前線に向けてロングボールを使うことも必要であるだろう。前線のマテウスやフアンマが起点になってくれればカウンターを行えてゴールに迫ることができる。長崎としてはホームで悪いチーム状態を払拭したい一戦であるため、絶対に勝利が必要な一戦だ。

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