前節いわき戦の敗戦により、リーグ戦で5試合勝利のないV・ファーレン長崎はアウェイで北海道コンサドーレ札幌と対戦する。札幌は、前節大宮と対戦し0-1で敗戦しており直近5試合を2勝3敗という結果である。順位は16位であるが長崎と勝点3差であるため、札幌に負ければ勝点が並ぶことになる。今シーズン開幕前は両チームとも昇格候補筆頭であったが、予想とは反対に勝利から遠ざかり昇格候補とは言えない順位に落ちており、少しでも勝点を積み上げたい両チームのかみ合わせや相性を考察していく。
フォーメーション

長崎は4-2-3-1、札幌は4-4-2のフォーメーション。
札幌の攻撃
札幌はボール保持が優れたチームであり、カウンター攻撃を主とするチームではない。
ビルドアップでは、まず右SBが前にポジショニングして右肩上がりとなり3バック気味になる。BOの一角がACとなり、もう1人のBOとは縦関係となる。このACとなるのは、主に10番宮澤であるが時折2CB間に降りて3バックとなりパスを循環しやすいようにポジショニングすることもある。
そして、2トップの一角であるFW田中がシャドーとなる位置まで下がり、CBやVOからの楔となるパスを受けてボールの前進を図る。
もう1人のFWアマドゥ バカヨコは身長190㎝あるため、サイドからのクロスが驚異的にある。また、ボールが収まりやすいことにより起点とされるため要注意人物だ。
長崎との守備の相性を考えてみると、札幌のボール回しは巧妙でスムーズであるため、前からボールを奪うことは難しいと考える。そうなると、ミドルブロックかローブロックにて対応して辛抱強く守る必要がある。
札幌の守備
守備時は基本布陣と同じ4-4-2で守る。これは、プレスやローブロックを形成する時も同じである。
プレスを行うときはハイプレスであり、プレスを開始する位置が高い。相手がPAより少し外にボールを持っているところからプレスを開始する。2トップがプレスを行うのだが、たとえ相手が3バックでビルドアップを行おうとしていても2度追いすることで、サイドへ追いやってハメてくる。外国籍であるFWアマドゥ バカヨコも積極的に素早くプレスを行うため隙がない。
守備で注目したいのは、札幌の守備を見ていてこの選手は少し違うと思った左SB高嶺だ。昨年までベルギーのコルトレイクでプレーしていた選手でありボール奪取能力が高い選手だ。危機察知能力高く、ボールへの寄せが早いため、対峙する長崎の右WG(増山か青木)とのマッチアップが楽しみだ。
では、長崎の攻撃との相性を考えると、長崎の今のビルドアップではうまく相手のプレスを回避することは難しいのではないかと考える。そうなると、ロングボールを多用することが多くなることが予想され、前線のFWが収めてくれることが必要だ。そのため、前がかりになってきた相手に対してロングボールによるカウンターが得点を生むチャンスとなるはずだ。
展望・まとめ
まず、この試合の展開としては札幌にボールを持たれる時間が長く、我慢強く守る必要があると考えている。それは、札幌の攻撃に対して前からプレスをハメることは難しいのに加えて、札幌の前からのプレスに長崎のビルドアップがうまくできずロングボールを蹴る形となることが予想されるからだ。
長崎の最近の試合では守備が酷いためすぐに立て直しを図りたいところだ。私としては、相手FWの外国籍選手に対してフィジカルに負けないためにCB櫛引を採用するのはどうかと考える。そして、精度の高いロングボールを前線に送りためにCB照山を採用したい。
そして、長崎の攻撃はカウンター攻撃が主になることが予想される。前節のいわき戦でハットトリックしたFWフアンマはロングボールでの起点にもなってくれるため必ず先発するだろう。WGに関してはカウンターのためのスピードとクオリティが求められるため、最大火力を出すためにWGマルコス・増山を採用してほしい。
3連戦の2試合目であり、今シーズン未だ勝利のないアウェイでの対戦となるが、どうにかここで勝利を収めて悪い流れを断ち切りたいところである。なおさら、対戦相手が札幌であり選手の技術レベルが高い相手に勝利することができれば必ず自信を取り戻せるはずだ。この試合も敗戦することになるならば監督交代は余儀なくされるだろう。
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